ヨハネ 13:16-30 - 口語訳聖書54/55年版
16
よくよくあなたがたに言っておく。僕はその主人にまさるものではなく、つかわされた者はつかわした者にまさるものではない。
17
もしこれらのことがわかっていて、それを行うなら、あなたがたはさいわいである。
18
あなたがた全部の者について、こう言っているのではない。わたしは自分が選んだ人たちを知っている。しかし、『わたしのパンを食べている者が、わたしにむかってそのかかとをあげた』とある聖書は成就されなければならない。
19
そのことがまだ起らない今のうちに、あなたがたに言っておく。いよいよ事が起ったとき、わたしがそれであることを、あなたがたが信じるためである。
20
よくよくあなたがたに言っておく。わたしがつかわす者を受けいれる者は、わたしを受けいれるのである。わたしを受けいれる者は、わたしをつかわされたかたを、受けいれるのである」。
21
イエスがこれらのことを言われた後、その心が騒ぎ、おごそかに言われた、「よくよくあなたがたに言っておく。あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」。
22
弟子たちはだれのことを言われたのか察しかねて、互に顔を見合わせた。
23
弟子たちのひとりで、イエスの愛しておられた者が、み胸に近く席についていた。
24
そこで、シモン・ペテロは彼に合図をして言った、「だれのことをおっしゃったのか、知らせてくれ」。
25
その弟子はそのままイエスの胸によりかかって、「主よ、だれのことですか」と尋ねると、
26
イエスは答えられた、「わたしが一きれの食物をひたして与える者が、それである」。そして、一きれの食物をひたしてとり上げ、シモンの子イスカリオテのユダにお与えになった。
27
この一きれの食物を受けるやいなや、サタンがユダにはいった。そこでイエスは彼に言われた、「しようとしていることを、今すぐするがよい」。
28
席を共にしていた者のうち、なぜユダにこう言われたのか、わかっていた者はひとりもなかった。
29
ある人々は、ユダが金入れをあずかっていたので、イエスが彼に、「祭のために必要なものを買え」と言われたか、あるいは、貧しい者に何か施させようとされたのだと思っていた。
30
ユダは一きれの食物を受けると、すぐに出て行った。時は夜であった。